症例③ 顎関節症を伴なった矯正治療症例

①2014年4月26日初診の30代、女性の患者さんです。主訴は右下の歯が痛いとのこと。
17年ほど前に上顎前歯部のクラウディングを治すために上下4番抜歯の矯正治療の既往がありました。
右上1の舌側傾斜、左上1の唇側転位、臼歯部は抱え込むように舌側へ倒れ、上と下の歯の正中がずれているのがわかります。
左顎の関節に開口時にクリックを認め、噛み合わせの影響もあってか肩こりなどの不定愁訴を伴っていました。

②2018年3月16日、矯正治療後約2年後になります。全体的に歯が起き上がり、噛み合わせが高くなり、下の前歯の見え方が変わっているのがわかります。
他の医院で抜歯矯正を行なっていることもあり、上下の正中は、合いませんでしたが、左顎のクリックもなくなり、肩こりなどの不定愁訴も改善してきたとのことです。

③矯正治療前の上顎です。左上1が唇側へ傾斜しているのがわかります。また、⾅⻭部は⾆側へ倒れ込む様に傾斜しています。

④治療後、左右均等なアーチの獲得ができているのがわかります。また左上1がアーチに⼊っているのがわかります。拡⼤床を⽤いたこともあり、⾅⻭部の⾆側傾斜が改善しているのがわかります。また、左上7は、疼痛が出たためクラウンを被せております。

⑤矯正治療前の下顎咬合⾯観では、⾅⻭部が⾆側へ傾斜し⼒が⾆側へかかっているのがわかる。また、下顎前⻭にクラウディングを認める。

⑥矯正治療後は⻭列が綺麗になっているだけでなく、⾅⻭部が起きており、⾅⻭部にかかる⼒が本来の垂直⽅向にかかっているのがわかる。

⑦矯正治療前の左側⽅⾯では、前⻭ならびに⾅⻭部が内側へ傾斜し抱え込む様な咬合関係になっているのがわかる。

⑧矯正治療後の左側⾯では、⻭軸がしっかりと起きているがわかる。

⑨早速同様、⾆側へ傾斜し、上顎の⻭が下顎の⻭を抱え込む様に噛んでいるのがわかる。

⑩矯正治療後、⻭軸の改善を認め、垂直に上下で咬合しているのがわかる。

⑪マウスピースを⽤いて、下顎の位置を修正。

⑫顎関節のクリックがならない様になったのちに、上下⻭列を拡⼤

⑬咬合を緊密にさせるために、ブラケットを装着。拡⼤床を含め治療期間は約2年半かかっている。

⑭顎運動解析器であるアルカスディグマでは、左右とも咀嚼サイクルに変化を認め、特に右での咀嚼運動がより円滑になっているのがわかる。

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